リーダーの育成方法

リーダーとなる人材を育成したい。このように考えている経営者は多いと思います。
しかし、リーダーの育成となるとどのように育成すれば良いのか解らなくなりませんか?

ここでは、専門用語をできるだけ使わずに汎用性があるリーダーシップを説明して、
リーダーの育成に役立てていただきたいと思います。

リーダーとは?

リーダーとは「指導者」「統率者」「先導者」といった意味で 「様々なメンバーをまとめて共通の目標達成のためにチームを率いる人」と捉えることができます。

優れたリーダー

あなたが印象に残っているリーダーは居ますか?

  • 話を聞いてくれる
  • 仕事を任せてくれる
  • 信念がある
  • 責任を取ってくれる
  • 自分の非を認める

などが良いリーダーとして思いつくのではないでしょうか?

また、悪いリーダーとしては上とは逆に

  • 話を聞いてくれない
  • 仕事を丸投げしてくる
  • 言うことが変わる
  • 責任を擦り付ける

などがあります。

完璧なリーダーになることは難しいのでは?と感じると思います。
ましてやリーダーを育てるとなるとさらにハードルが高く感じると思います。

リーダーの強化が組織強化につながる

企業規模を拡大していくときに多数の従業員を同時に強化していくことは難しく、1人のリーダーが統制できるのは一般的に5~10人までと言われています。そこで新たなリーダーを育てて、多数の従業員を強化します。
少数のリーダーを強化することで、多数の従業員の強化が行われ、組織が強化されることになります。

リーダーシップの研究

リーダーシップにつては1900年代から世界中で様々な研究がおこなわれています。

カリスマの研究
「カリスマ性を持っているリーダーが優れている」と言われています。
解りやすいですが、カリスマ性がある人材を育てることは不可能に近い気がします。

人間関係と業績の研究
企業において優秀なリーダーの行動を研究した結果、「人間関係を管理する力と業績を高める力に分類し、双方の資質が高いリーダーが優れている」とされ、「スーパーマン型」と呼ばれています。
納得はできますが、「スーパーマン」を育成することも難しく感じます。

環境要因の研究
「環境に応じて人間関係を管理する力と業績を高める力の使い分けができるリーダーが優れている」とされています。
環境(部下)に応じて使い分けをすることを意識することなら、育成出来る気がします。

今回は、環境要因の研究を基に、リーダーシップの育成方法をお伝えします。

組織目標の達成と部下育成の関係

環境(部下)に応じて使い分けをすることを意識して優れたリーダーを育成することで、組織(企業)全体の能力が底上げされます。

リーダーが部下の目標達成の支援を行うことで、組織(企業)の目標を達成することが可能になります。

部下の状況

リーダーの環境とは、主に部下の状況となります。

部下の状況の分類

部下の状況を大まかに2つの方向性で分類します。

人間関係を管理する力は「業務意欲」
業績を高める力を「業務能力」

以上の2つに分類してリーダーシップの使い分けを行います。

部下の業務意欲は、
部下が自身の業務の進め方に自信があるなら、高い。
部下が自身の業務の進め方に不安があるなら、低い。

部下の業務能力は、
業務を任せられるなら、高い。
指示が必要なら、低い。

以上のように分類することで、個別の部下に対してどのようなリーダーシップをとるべきかが解ります。

リーダーシップの具体例

4象限に分類した部下に対してどのように接していくのかを見ていきます。

具体的な接し方

① 指示型では、期待する役割や業務手順を具体的に教えます。

② 参加型では、教えるのではなく、活躍の場を提供して励まします。

③ 説得型では、疑問を洗い出し、業務を教えながら助けます。

④ 委任型では、挑戦を促して、見守ります。

以上のように、部下の状況に合わせてリーダーシップを変化させます。

意欲を高める2つの方向性

意欲=モチベーションとなり、モチベーションを向上させるには動機付けが必要になります。
動機付けには、外から与えられる「外発的動機付け」、自信の内側から湧き出す「内発的動機付け」の2つに分類され、それぞれの特徴は以下の通りです。

① 外発的動機付け

  • 外側から与えられる動機付け
  • 賃金、報酬、罰則、説得など
  • 短期的な意欲向上につながる
  • 排他性がある

② 内発的動機付け

  • 内側から自然に湧き出す動機付け
  • 「やってみたい」という意欲など
  • 長期的な意欲向上につながる
  • フロー体験(没頭・熱中)を誘発する

外発的動機付けは即効性がありますが、モチベーションは長続きしません。
また、排他性があるため、内発的動機付けでモチベーションが向上している人物に外発的動機付けを実施すると、内発的動機付けが打ち消されモチベーションが下がります。

以上のことから、内発的動機付けを高めます。

内発的動機付けの2つの要因

内発的動機付けを高めるには「自律性」と「有能感」を感じさせることが重要になります。

自律性とは、「自分で自由に行動しているという感覚」のこと。
能力に合った業務を任せるなど、裁量を持たせて様子を見守ります。

有能感とは、「自分は有能であるという感覚」のこと。
期待を伝えたり、成功体験を与えるなど、少しづつ自信を持たせます。

まとめ

  • 部下の状況に合わせてリーダーシップを使い分けることで、部下の育成と業務目標の達成が両立される。
  • 部下の状況を、「業務意欲」と「業務能力」の「高い」、「低い」で4つに分類する。
  • 4つの分類に合わせてリーダーシップを、指示型・参加型・説得型・委任型で使い分ける。
  • 「業務意欲」の向上には、「内発的動機付け」が有効で、「自律性」と「有能感」を与えることが必要となる。

以上のことを踏まえて、リーダーの育成にチャレンジしましょう。