【図解】なぜ利益が出てもお金がない?黒字倒産を防ぐ「資金繰り表」の作り方

なぜ利益が出てもお金がない?黒字倒産を防ぐ「資金繰り表」の作り方

「売上は順調に伸びていて、決算も黒字のはずなのに、なぜか毎月の支払いが苦しい…」

経営相談で非常に多いこの悩み。実は、多くの経営者が「利益」と「現金(キャッシュ)」を混同しているために起こる現象です。最悪の場合、帳簿上は黒字なのに手元の現金が尽きて会社が潰れる「黒字倒産」に陥ってしまいます。

銀行が融資の際に最も厳しくチェックするのは、利益の額ではなく「現金が回る仕組み」です。本記事では、利益と現金のズレが起きる理由と、会社を守る「資金繰り表」の基本構造を図解でわかりやすく解説します。


1. 最大の罠:「利益」が出ているのに「現金」が減る理由

なぜ、利益が出ているのに口座からお金が消えていくのでしょうか?
答えは非常にシンプルで、「入金されるタイミング」と「支払いをするタイミング」にズレ(タイムラグ)があるからです。

図解:恐ろしい「タイムラグ」の仕組み

【条件】100万円で仕入れた商品を、今月150万円で販売した(利益:50万円)

📊 損益計算書(利益)の視点

売上(今月発生)150万円
仕入(今月発生)▲ 100万円
帳簿上の利益+ 50万円

💰 実際の現金(口座)の視点

仕入代金の支払い(今月末)▲ 100万円
売上代金の入金(翌月末0万円(今月は入らない)
手元の現金残高▲ 100万円の不足!
💡 利益が出ていても、この「100万円のズレ」を手当てしないと、会社は黒字倒産します。

2. 銀行が求める「資金繰り表」3つのブロック構造

現金のショート(不足)を事前に予測し、銀行に「いつ、いくら必要で、いつ返せるのか」を証明するためのツールが「資金繰り表」です。

難しく考える必要はありません。資金繰り表は、大きく以下の「3つのブロック」に分けて現金の出入りを記録するだけです。

図解:資金繰り表のシンプルな基本構造

前月からの繰越現金(スタート時の残高)
ブロック1
営業収支(本業での現金増減)
+ 売上代金の「実際の入金」
▲ 仕入・経費・人件費などの「実際の支払い」
ブロック2
設備収支(投資での現金増減)
▲ 機械やシステムなどの購入費用
+ 固定資産の売却など
ブロック3
財務収支(借入・返済の増減)
+ 銀行からの「新たな融資(借入金)」
▲ 既存の借入金の「毎月の元本返済」
翌月への繰越現金(月末のゴール残高)

資金繰り表を作る最大の目的は、「数ヶ月後に現金が底をつく(マイナスになる)」という未来を事前に発見し、余裕を持って銀行に融資の相談(ブロック3のプラス)を行うことです。


まとめ:精緻な資金繰り表は、強固な「事業計画」から生まれる

ここまで資金繰り表の重要性を解説してきましたが、ここで一つ大きな注意点があります。

それは、「誰に・何を・どうやって売り、いくらの利益を生むのか」というビジネスモデル(戦略)が曖昧なままエクセルで資金繰り表を作っても、それはただの「絵に描いた餅(希望的観測)」にしかならないということです。

銀行の審査担当者はプロです。根拠のない売上予測をベースに作られた資金繰り表は、一瞬で見透かされてしまいます。確実な数字(資金計画)を作るためには、まずその土台となる「強固な事業計画」を言語化することが最優先なのです。

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