【図解】売上アップより確実!事業計画書で利益を残す「経費(固定費・変動費)」の因数分解

【図解】売上アップより確実!事業計画書で利益を残す「経費(固定費・変動費)」の因数分解

「売上は順調に上がっているのに、なぜか手元にお金(利益)が残らない…」
「事業計画書を作ったが、経費の計算がドンブリ勘定になってしまい、銀行員から計画の甘さを指摘された」

経営者にとって「売上を上げること」は最大の関心事ですが、金融機関の融資担当者が事業計画書で最も厳しく目を光らせているのは、売上ではなく「利益が確実に残る構造になっているか」です。

利益を計算するためには、単に「売上-経費」とざっくり考えるのではなく、経費の性質を正しく分解(因数分解)する必要があります。
本記事では、どんぶり勘定から脱却し、銀行員が納得する堅牢な利益計画を作るための「固定費・変動費の分解ロジック」を図解でわかりやすく解説します。


1. 経費は「2つの性質」に分解して考える

事業にかかるすべての経費は、売上の増減に連動するかどうかで、必ず「変動費」「固定費」の2つに分解することができます。

図解:変動費と固定費の決定的な違い

変動費
(動く)
売上に比例して増減する経費
商品が1つ売れるごとに必ず発生するコストです。売上がゼロなら変動費もゼロになります。
▶ 具体例:商品の仕入原価、原材料費、外注加工費、販売手数料など
固定費
(動かない)
売上に関係なく毎月一定でかかる経費
商品が1つも売れなくても、会社を維持するだけで強制的に出ていくコストです。
▶ 具体例:地代家賃、正社員の基本給、リース料、保険料、水道光熱費の基本料金など

2. 利益を算出する「ロジックツリー」

経費を2つに分解できたら、次はそれを売上から引き算して「利益」を計算します。ここでのポイントは、いきなりすべての経費を引くのではなく、2段階で計算することです。

図解:審査員が納得する利益計算のステップ

① 売上高
② 変動費
③ 限界利益(粗利)
※限界利益とは、商品そのものが稼ぎ出す「真の儲け」のことです。
③ 限界利益(粗利)
④ 固定費
⑤ 営業利益
※この「営業利益」がプラスになって初めて、会社に手元資金が残ります。

3. 経費の分解が「事業計画の勝算」になる理由

なぜ、銀行員はこれほどまでに経費の分解を重視するのでしょうか。
それは、経費を固定費と変動費に分けることで、「毎月最低いくら売り上げれば赤字にならないか(損益分岐点)」が正確に割り出せるからです。

事業計画書に「売上を伸ばします」とだけ書く経営者と、以下のように経費を分解して説明できる経営者とでは、銀行からの信用度は天と地ほど変わります。

【審査員が唸るロジカルな説明の例】
「当社の毎月の固定費は100万円、変動費率(売上に占める変動費の割合)は30%です。したがって、限界利益率は70%となります。
固定費100万円を限界利益率70%で割った『約143万円』が当社の損益分岐点(赤字にならない最低ライン)です。今期の売上目標200万円は、このラインを十分に上回っており、確実に借入金の返済が可能な利益構造になっています。」

このように、経費を正しく分解して利益構造を証明することこそが、事業計画書における「最強の防御力」となるのです。


まとめ:数字をいじる前に「現状把握」という土台を固めよう

売上を「客数×客単価」に分解し、経費を「固定費・変動費」に分解して利益を計算する。この客観的なロジックがあって初めて、銀行員が深く頷く事業計画書が完成します。

しかし、ここで一つ非常に重要な注意点があります。
それは、「自社の強み」や「ターゲット顧客」といった【現状把握】が曖昧なまま、いきなりエクセルで数字だけを計算しても全く意味がないということです。

どれだけ立派な利益計画を作っても、そもそも「なぜ自社がその市場で勝てるのか?」という土台(戦略)が抜けていれば、審査員には「絵に描いた餅(机上の空論)」と見透かされてしまいます。

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