ERG理論~従業員のモチベーションを上げる~
ERG理論で従業員のモチベーションを上げる
大半の企業で、「従業員のモチベーションが低い」と悩んでいる企業が多いのではないでしょうか?モチベーションの上げ方について関心の高い企業が多いと思います。
ここでは、「モチベーション=動機づけ」と解釈して、欲求を満たすために自ら進んで行動を起こす意欲をモチベーションと考えます。
モチベーションについては様々な理論があります。マズローの欲求段階説が有名ですが、ここでは比較的わかりやすくて実践しやすい「アルダファーのERG理論」について説明していきたいと思います。
ERG理論とは
ERG理論とは、生存の欲求(Existence)、関係の欲求(Relatedness)、成長の欲求(Growth
のそれぞれの頭文字を取ったものです。
それぞれの欲求を満たそうとする人間の本能によって、モチベーションが向上すると考えられます。
マズローの欲求段階説では、低次の欲求が満たされるとより高次の欲求を満たそうとし、低次の欲求には戻らないと考えられますが、ERG理論では、各段階の欲求が同時に発生することや高次から低次に戻ることもあるとされています。
ERG理論の3つの欲求
ERG理論では3つの欲求があります。
生存の欲求(Existence)
食べ物や安全な環境などを求める欲求のことです。
企業での施策は、給料や作業条件などです。
関係の欲求(Relatedness)
家族や友人、上司、部下など重要な人と良好な関係を作り、認めてもらいたいという欲求のことです。
企業での施策は、心理的安全性の構築、人事評価制度の見直しなどが考えられます。
成長の欲求(Growth)
自分の能力を上げて、さらなる可能性を追求したいという欲求のことです。生存の欲求と関係の欲求は満たされればより高次の欲求を求めますが、成長の欲求には終わりがなく永遠に成長を求め続けます。
企業での施策は、権限移譲、自己啓発の促進などが考えられます。
ERG理論を活用してモチベーションを上げる
ERG理論では、各段階の欲求が同時に発生することや高次から低次に戻ることもあるため、3つの欲求を満たす必要があります。
従業員のモチベーションが低い企業では、いずれかの欲求が満たすことができていません。給料が低すぎたり、人間関係が築けなかったり、ルーティーンワークばかりで成長の機会を与えていないなどです。
従業員のモチベーションを上げるためには
- 業界標準以上の給与と休日で生存欲求を満たし
- 個人を認め自由に建設的な意見が言える環境や、努力に報いる評価制度で関係の欲求を満たします。
- 成長を促進するための権限移譲や自己啓発の促進制度などで成長の欲求を満たす必要があります。
ERG理論のまとめ
従業員のモチベーションを上げるためには、個人の持つ①生存の欲求。②関係の欲求。③成長の欲求という3つの欲求を満たす施策を実施します。
各段階の欲求が同時に発生することや、高次から低次に戻ることもあるため、各欲求に対する施策をバランスよく実施する必要があります。
現在の従業員の不満がどのようなものがあるのか調査する必要があります。
3つの欲求を高い水準で満たすのは簡単ではありませんが、段階的に水準を上げていくことを考えてみましょう。